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塾magaで超大人気のシリーズ == 19 ==
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『月刊・スペイン語あれやこれや』 "Español Variopinto, Mensual"

  


===  「LとRの話」  ===
「CalorのL」と「CaroのR」

スペインに留学していたある土曜日の朝、私は近くにある昔ながらの市場に出かけた。一週間分の食料を買いだめするための土曜日の朝のルーチンワークであった。もうすでに野菜はどこで、肉はどこでと買い物をする店も決まっており、店の人たちとも顔なじみになっていた。まだひよこ程度のスペイン語しか話せなかった私は、鮮度や値段よりも「親切で感じがいい」という基準で店を選定していた。気配りのある店でないと、生活の達人である主婦達にどんどん先をこされ、いつまでたっても順番が回ってこないからなのだった
ある土曜の朝、いつものように、いつもの肉屋に行って、いつものハムを買おうとした。なんだか先週に比べて値段が上がっているみたいな気がした。当時は貧乏学生の身分ゆえ、値上がりはゆゆしい一大事であった。それに、あらゆるチャンスをつかまえてスペイン語を話すことをモットーとしていた私は、「¡QUE CARO!(高い!)」と言ってみた…つもりだった
覚え始めのスペイン語脳には、RとLの音の区別は容易ではなく、きちんと発音しようと意識すればするほど発音は不明瞭になり間違えてしまう。「CARO(値段が高い)」と初心者にとっては似たような単語である「CALOR(暑い)」が入れ替わって、「¡QUE CARO HACE!」などと翻訳不能なことを口走ったのかも知れないし、「¡QUE CALOR!(暑い!)」と明瞭に言ったのかも知れない
折からもアンダルシア地方は暑さの厳しい季節であった。「Aquí hace mucho calor en verano y hoy más calor todavía(ここは夏は暑いのさ。それに、今日はいっそう暑いね)」とおばちゃん。あぁ、違う。これではひそかに期待していた「そうかい、じゃ、特別におまけしちゃうよ」という言葉も期待できない。せめて、「高い」と言いたいことをわかってもらおうと、頭の中で一生懸命単語を並べているうちに、「うちのハムは安くておいしいだろう」と、にこにこしながら敵は追い討ちをかけてきた(このくらいのヒアリング能力はあった)。「Sí, es verdad.(ええ、本当に)」と「NO」の言えない日本人の私はあえなく相手のペースに巻き込まれる。「¿En tu país no hace tanto calor?(あなたの国はこんなに暑くないの)」と肉屋の女主人が言うので、転んでもこの会話のチャンスは逃すまいと、日本の夏について懸命に説明を試みた
「No, Señora. Me refiero al precio.(違いますよ。値段のことを言っているのです)」ときっぱり言う語学力があったとしたら、もしかしたら肉屋の女主人は気分を害してしまい、天気の話など平和にしている場合ではなくなったかも知れない
結局、向こうの言い値でハムを買い(今、思えば安いし良いハムだった)、「来週も待ってるよ。」というおばちゃんの声を背にすごすごと退散したのであった
「RとL」は日本人にとって永遠の悩ましいテーマであるが、このことを肉屋のおばちゃんが洞察した様子は全然なかった。 Gatito Umichan
Gatito Umi-chan

以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.73(2006年11月末発行)』に掲載されたものです

 

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